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インフルエンザの話;診断編

インフルエンザがだんだん流行ってきました.
熱が出て「もしかしたインフルエンザかも・・・」と思われたとき,受診したほうがよいか迷うこともあると思います.そこで外来で皆様からよくうかがうご質問を中心に,インフルエンザの診断についてQ&A方式で解説いたします.

Q1:どんなときにインフルエンザを疑うの?
A1:典型的には38度以上の発熱、のどの痛みなどが急に出てきたときです.特にこの「急に」というのがポイントです.それまでほとんどなんともなかったのに,急に寒気が出てきて上のような症状が出てきたときはあやしいです.しかし,ワクチンを打っていたり,うつされたときのウイルスの量が少ないと軽い症状しか出ないこともあります.

 

Q2:インフルエンザっぽかったら必ず受診したほうがいいの?
A2:以下に当てはまる方は受診したほうが良いでしょう。なぜならこのような方はインフルエンザが重症化しやすく,薬を使って治療したほうがよいからです.
・症状が強くて,つらいかた
・2歳未満もしくは65歳以上の方
・妊婦さん
・持病のある方(糖尿病,気管支喘息,心臓病,肝臓病,腎臓病,肺気腫、がん、ステロイド内服中の方など)
・施設入所者
・赤ちゃんのケアをする人
・医療・介護関係者

一方,もともと持病のない健康な方では,インフルエンザは薬を飲まなくても基本的に自然に治る病気です(詳細はブログ「インフルエンザの話;治療編」).症状が軽いけどインフルエンザが心配だから病院に来て,逆に他の患者さんからインフルエンザをもらって悪化してしまうことがありますので,体調を見ながらご自宅で静養される方法もご検討ください.

 

Q3:熱が出たので職場や学校から「インフルエンザの検査をしてくるように」と言われたが,検査は受けられますか?
A3:検査をする場合も,検査をしない場合もあります.
  そもそも鼻の奥に綿棒を突っ込んで痛い思いまでしてやるインフルエンザの検査はどうしてするのでしょう?それは「診察だけではインフルエンザかどうかはっきりしない場合,それをある程度はっきりさせる」ためです.
つまり逆に言えば,問診をして,熱を測って,のどを診察して,その時点でインフルエンザの可能性が非常に高い場合と,非常に低い場合はそれ以上検査はしません.検査をしないとインフルエンザと診断できないのではないか,と思われるかもしれませんが,そうではありません.そもそもインフルエンザの検査はそこまで正確な検査ではありません.インフルエンザにかかっている人が10人いたら,検査で「インフルエンザ陽性」になるのは,せいぜい7人くらいです.

たとえば,ご家族の中に2日前にインフルエンザの診断となった方がいて,ご本人は今日から急に39度の発熱が出て体がとてもだるく,のどが赤くなっている場合を考えましょう.このような場合,ほぼ9割がたインフルエンザでしょう.このとき検査で陰性だったとしても,インフルエンザの可能性は計算上80%程度であり,検査が陰性でも結局インフルエンザでしょうと診断を下すことになります.痛い思いまでして検査する意味がありませんね.
要は検査をしなくてもインフルエンザと診断できたり,診断書を出すことができる場合があるということです.「学校や職場が検査をしてくるように」というのは,学校や職場が「検査をしないと診断できない」と勘違いしているためであり,結局はインフルエンザかどうかを知りたいだけですので,検査せずに医師が診断した結果をお伝えいただいても何ら問題はありません.ちなみにインフルエンザAかBかは検査しないとわかりませんが,いずれも治療は一緒ですのでAかBかを知るためだけに検査をする,ということもあまり意味はありません.

 

少し難しい話になりましたが,皆様のインフルエンザに対する疑問が少しでも解決できればと思います.

医療法人社団 福井内科消化器科クリニック

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